STANLEYTEAM KUNIMITSU

RACE 2014 SEASON

  • Preview
  • Result / Report
  • Race Photo

2014 SUPER GT

ROUND5 FUJI

第5戦 富士スピードウェイ

公式予選 8月9日(決勝レース 8月10日(
QUALIFYINGRACE
RAYBRIG NSX CONCEPT-GT、雨のレースで7位入賞

 確実に台風11号が北上する中、サーキット周辺の前夜はまさに“嵐の前の静けさ”。暑さを感じることもなく穏やかな夜だったが、迎えた日曜日は朝から降ったり止んだりの断続的な雨に見舞われた。

 しかし降るときによって雨量の差が大きく、先読みなどできない状態。午前9時からを予定していたフリー走行中は、スタート時こそ普通の雨であったが、コースインからほどなくして急激に雨脚が強くなり、すぐさまセッションは赤旗中断に。その7分後には再開し、最後まで走行が続くも、各車とも異なるレインタイヤの確認作業が主となったようだ。フリー走行後、観客が乗り込んだ観光バスがGTカーと混走するおなじみのサーキットサファリも実施されたが、天候悪化ですぐ中止に。その後は午後3時からの決勝に向け、天候の行方をただ見守るだけとなる。

 雨は正午に向けて一旦上がり、傘も不要なまで回復を見せたが、天気予報では午後に向けて雨がより酷くなると予想。暴風雨の心配もあるという。事実、決勝に向けて車両がダミーグリッドに着く頃には横殴りの雨になるなど、雨に翻弄されるというよりはむしろ状況に身を委ねるしかない状況となった。

 午後3時、66周のレースはセーフティカー先導によるスタートを迎える。そして2周先導のあと、3周目から事実上レースがスタート。水煙立ち上る中、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTはスタートドライバーを務めた小暮が果敢な走りを見せた。まるで水を得た魚のごとく攻めた結果、ときにはポジションを下げることになったが、粘り強く、巧みなステアリングさばきでポジションを回復。十分な視界の確保が難しい中でも、感性を研ぎ澄ましてクルマをコントロールしていく。

 ところが、天候は悪化の方向へと進むことになり、9周目からセーフティカーが再びコースイン、レースを先導する。が、ついに17周目には赤旗が提示され、レースが一時中断へと追い込まれた。ドライバーは下車し、ピットへと戻ることが許されたが、車両はメインストレートに留まったまま。幸い、雨量が減り、走行が可能な状態になったことから、約30分後の午後4時15分にレースが再開。セーフティカーが再度車両を先導し、リスタートが切られた。このタイミングで3番手争いのチャンスを得た小暮は、同じホンダ勢の17号車と激しいバトルを展開。31周目のヘアピンで17号車を逆転し、3番手へと浮上する。

 レースは折り返しを過ぎると、ルーティンワークのピットインが始まる。だがチームでは、今回遅いタイミングでのピットインを戦略のひとつとして用意しており、まずはライバルの動向を見守った。すると同様にピットインを先延ばしにしていた12号車GT-Rとの一騎打ちとなり、2台はGT300の周回遅れを絡めてのバトルを展開することになる。譲れない両者は次第にヒートアップ。ついに38周目の最終コーナー立ち上がりで12号車に追突されることとなり、小暮はラインを大きくアウト側に外してしまう。幸い、挙動を乱しただけでクルマへのダメージは免れたが、見守るチームやファンにとってはヒヤリとした瞬間だった。

 No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTのピットインは40周終了時。小暮からステアリングを託された武藤は、着実なステアリングさばきが求められる中、落ち着いて周回を重ねていく。そしてタイヤに熱が入ると、ライバル勢よりも速いペースで走り、徐々にポジションアップ。チェッカーまで残り10周を迎える頃には5番手まで上がり、まさに上昇気流に乗っていた。だが実のところ、ステアリングを握る武藤は少なくなった雨量に悪戦苦闘。タイヤは水をさらに欲しており、さらには後続からペースアップした2台が迫り来る。結果、耐えに耐えてバトルを続けていたが、ついに2台の先行を許してしまった。

 ちょうどその頃、ポツポツと降っていた雨が急激に強まり、まさに土砂降りの状態へと激変。レースは59周目に再びSCが導入された。懸命に築き上げたライバル達とのタイム差を失うことへ絶望感を持つ者がいる一方、逆に武藤は最後の最後に訪れた逆襲のチャンスを歓迎。SCランを重ねながら、その時、つまりリスタートを待ちわびていた。だが無情にもその後レースはリスタートされず。SC先導のままレースはチェッカードフラッグが振られ、タフな戦いに幕を下ろすことになった。

 僅かのタイミングで今季チームベストリザルトを逃すことになったNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT。7位入賞を果たしたものの、戦いを終えたドライバーはじめチームスタッフの顔には悔しさがにじみ出ていた。しかしその一方で、予選での速さ、決勝での粘り強さが定着しつつある今、シーズン後半戦での巻き返しの可能性は十分にある。次戦、伝統の鈴鹿1000kmでの飛躍に期待がかかる。

高橋国光総監督

今日の展開から行けば、優勝できるのではないかと期待していました。こういう不安定な天候、展開になると、色んなタイミングによってレースが変わっていくので、その点でうちのチームには運が向かなかったのかもしれませんね。ただでさえ厳しいレース内容ですから、ある意味仕方がない部分もあります。ただその中で、進化したクルマをチームスタッフがガンバって仕上げてくれているし、またドライバーふたりもそれぞれいいところをしっかり見せてくれました。一生懸命取り組んだ結果なので、何も言うことはないです。次につながる戦いを見せてもらいました。ファンの皆さんには次の鈴鹿を楽しみにしていただければ、と思います。

小暮卓史選手

クルマの状態もよく、赤旗再開後には17号車も抜くことができたのですが、ただその後のタイヤはタレが結構ひどくなってきて……。結果的にペースが上がらなくなったんです。ただ、ピットインも近づいていたし、なんとかコントロールしていたのですが、そのときにちょうど12号車に当てられてしまいました。バトル中なので確かに引けない状態ではあったのですが、あれはちょっと……という思いがありますね。今回、ピットインのタイミングをライバル達よりも先に延ばしたんですが、ちょっとのタイミングのズレで色んなことが起こるので、結果に対しては一概に言えないです。ただ、クルマのバランスはもちろん、ポテンシャルは悪くなかった。今回は天候がこんな状態だったので、タイヤチョイスで結果が左右されてしまいましたが、特に最後のSCランのままで終わってしまったのが悔しいですね。同じホンダ勢がいい活躍を見せはじめているので、僕らもNSX CONCEPT-GTの活躍に早くひと役たちたいです。次は僕らがやらないと! 鈴鹿で必ずいい仕事をしたいと思います。

武藤英紀選手

僕のスティントでは、小暮さんと異なる硬めのレインタイヤを選択し、コースに向いました。ラップタイム、ペースは良かったですね。ただコースが乾いてきて、タイヤ的には難しい状況になってしまいました。後半になるとコース上の水を探しての周回になりましたが、残念ながらそういう水が溜まっているところがコース上にはなかったですね。ガンバって2台(36、46号車)抜いたんですが、結果的には天候回復時にまたその2台に抜かれることになってしまいました。コンディションを考えると難しい判断だとは思いますが、SCランからリスタートして欲しかったですね。そうすればもう一回勝負ができたのに。雨の中でのペースが良かっただけに残念でした。

手塚長孝オペレーテイングテクニカルディレクター

今週末の流れは悪くなかったので、もうちょっと上位の結果を狙っていけたと思います。特に予選はうまくまとめてくれたんですが、その一方で運が少し足りなかった。決勝でもその流れというか、タイミングが合わず、なにかでちょっと足りないことが多かったですね。ただクルマを作る点での進化はできています。鈴鹿に向けての明るい材料、課題は見えてきましたね。短期間で熱害対策をきっちりしてくれたホンダ、研究所の関係者のみなさんには感謝しています。速いクルマで戦えるよう、しっかりと用意してくれましたから。不安定な天候の中でもトラブルを出さずに戦うことができました。次はチームがしっかり結果を出して恩返ししなきゃいけないところですね。

決勝レース結果

PoNoMachineDriverTime/Diff.LapsBest LapTireWH
118ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT山本 尚貴F.マコヴィッキィ2:56'20.543661'41.542MI28
223MOTUL AUTECH GT-R松田 次生R.クインタレッリ 2.129661'41.748MI54
332Epson NSX CONCEPT-GT中嶋 大祐B.バゲット3.570661'41.173DL2
417KEIHIN NSX CONCEPT-GT塚越 広大金石 年弘5.106661'42.287BS32
536PETRONAS TOM'S RC F中嶋 一貴J.ロシター5.775661'41.577BS32
646S Road MOLA GT-R本山 哲柳田 真孝6.804661'41.927MI40
7100RAYBRIG NSX CONCEPT-GT小暮 卓史武藤 英紀8.081661'41.581BS14
812カルソニックIMPUL GT-R安田 裕信J-P.オリベイラ 11.510661'42.208BS88
937KeePer TOM'S RC F伊藤 大輔A.カルダレッリ 13.663661'42.019BS98
108ARTA NSX CONCEPT-GTV.リウッツィ松浦 孝亮16.878661'42.163BS6
1119WedsSport ADVAN RC F脇阪 寿一関口 雄飛1Lap651'44.537YH14
1239DENSO KOBELCO SARD RC F石浦 宏明O.ジャービス1Lap651'42.290BS36
136ENEOS SUSTINA RC F大嶋 和也国本 雄資1Lap651'42.304BS68
141ZENT CERUMO RC F立川 祐路平手 晃平1Lap651'39.125BS70
1524D'station ADVAN GT-RM.クルム佐々木 大樹1Lap651'39.371YH18

天候:雨| コース:ウェット
PAGE TOP
「STANLEY × TEAM KUNIMITSU」トレーディングカードコレクション
HISTORY OF KUNIMITSU TAKAHASHI
STANLEY RACE AMBASSADOR
メール会員限定コンテンツ
メール会員限定コンテンツ