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第8戦 ツインリンクもてぎ

公式予選 11月15日（土）	決勝レース 11月16日（日）

　決勝日も前日同様、寒さは感じるものの穏やかな日差しに包まれ、この季節としては上出来のレース日和に恵まれた。気温8度、路面温度12度の中、午前9時15分からフリー走行がスタート。 　決勝で強い走りを見せるべく、チームでは時間の許す限りセット確認を続けた結果、小暮が4番手となるベストタイムをマーク。この流れで250kmの決勝を戦おうと、さらに士気を高める好材料となったのは言うまでもない。 　迎えた決勝レース。午後1時、気温16度、路面温度23度の好コンディションの中、53周にわたる戦いが始まる。これに先立ち、地元･栃木県警のパトカー2台と白バイ2台とともにパレードラップを行い、その後、ペースカーによるフォーメーションラップが実施され、レースが幕を開けた。 　早速、チャンピオン争いのかかる2台がオープニングラップのS字入口で接触。荒れた幕開けとなるが、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTのスタートドライバーを務めた小暮は、トラブルフリーでオープニングラップを7位で終了する。まずは上々の滑り出しを見せ、ポジションキープで周回を重ねたが、前後車両とのバトルが厳しく、つねに0.3～0.5秒差というタフでワンミスが命取りとなるような難しい戦いを強いられた。

　レースは折り返し前の20周前後からルーティンワークのピットインが始まる。一方でNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは24周を終えてピットへ。待ちかまえる武藤と交代し、メカニックは序盤で装着したものよりも気温の低下に合わせてやわらかいタイヤへと交換。無事にコースへと送り出した。

　レース復帰後も、コース上の激しい攻防戦には変化がなく、武藤もタイヤに熱が入る間、臨戦態勢で走行。9位から上位浮上のチャンスを伺った。だがしかし、今シーズン最後の戦いだけに、バトルはよりヒートアップ。さらにストップ＆ゴーという抜きにくいもてぎならではのレイアウトが皆を苦しめる。そんな中でも武藤は最後の最後まで諦めることなく、チャンスを伺いながら周回を重ねていった。

　そして終盤、ついにその時が訪れる。48周目、長くバトルを続けていた36号車を仕留めた武藤は逆転に成功。その後はさらに前を行く1号車を目指してアクセルを踏み続けた。しかしチェッカーまでの周回はあと僅か。惜しくもその目標を達することはできなかったが、8位でフィニッシュ。第5戦富士から連続する入賞を果たして2014年の戦いを終えている。

高橋国光総監督

まずは1年間、チームを応援してくださったファンの皆さまにお礼申し上げます。振り返ると、チームにとって、今シーズンは消化不良の続くレースでした。ふたりもドライバーとして、つねに最善の答えを追い求めてきたとは思いますが、正直その答えを見つけることができたのかどうか……。これこそレースだ、とひと言で片づけるには、色んなことがあり過ぎたようにも思います。とにかく難しい1年でした。チームとして関わるみんながつねに一生懸命与えられた仕事をこなしてはいるのですが、なかなか結果が残せず、ときにはファンの皆さまにも心細い思いをさせてしまうこととなりました。ですが、結果が出ない中でもチームはつねに進歩し、結果に繋げる努力をしています。来シーズンこそ、皆さまに喜んでもらえるような戦いを少しでも多くお見せしたいと思いますので、どうか我々を信じて待っていてください！

小暮卓史選手

決勝中のクルマの仕上がりはものすごく良いものでした。一方で、レース中はチョイスしたタイヤと路面コンディションがうまく合わず、結果的にクルマの持つパフォーマンスを最大限に引き出すことが難しい状況になってしまいました。それがツラかったですね。タイムロスしたり、またペースが戻ったりしたので、いい流れの中でレースができませんでした。今シーズンは新たにクルマが変わり、新しいコンディションの中でしっかりといいパフォーマンスをお見せしたかったのですが、なかなか思うようにはなりませんでした。うまく組み合わなかったというか、流れを作れなかったというか……。まず、最初に予選でいいポジションをなかなか手にすることができなかったですね。来シーズンは早い時点でいいセットアップを見つけ、予選で上位につけて決勝に挑めるよう、努力していきたいと思います。

武藤英紀選手

今回はタイヤ選択という意味で厳しいレースになりました。序盤の小暮選手はタイヤに合わないコンディションの中でなんとか持ちこたえてくれてバトンを繋いでくれました。インフォメーションを受けて僕はやわらかめのタイヤに交換したので、ペース的にも悪くなかったです。最後には36号車もパスできたので、良かったかなと。シーズンを通し、チームもクルマをすごく良くしてくれたし、走るたびに良くなっていく、進化していくということが実感できるものでした。走るごとに改善される一方で、まだコレだ！ というものを完全に見つけることができなかった部分もありました。そこをきっちり詰めていければ、クルマそのものが持っているポテンシャルをもっと引き上げることができるのではないかなと感じています。さらに上を目指していきたいですね。

手塚長孝オペレーテイングテクニカルディレクター

決勝レースではまずハードタイヤをつけて行きました。金曜、土曜の流れからして、ハードがいいだろうという判断でした。ルーティン後のタイヤに関しては、小暮選手が走って判断するということになり、的確なインフォメーションをもらうことで異なるタイプのほうがいいということになりました。そのため、ミディアムを選びました。ただ、総体的には前半で路面コンディションとの相性があまり良くなかったことが響きましたね。もてぎはなんとかレースをまとめたいという思いで、その方向性には向っていけたのですが、そこに順位が伴わなかったです。今年は色んなことがありました。中にはもったいない展開もあったし。一方で、今日はドライバーは持てる力で一生懸命走ってくれたと思います。終盤にポジションアップすることもできましたから。僕の反省点としては、ちょっとピットインのタイミングが前後に位置する他のチームのピット作業との兼ね合いもあり、外れてしまった点があげられます。今シーズンは終わりましたが、今後はスタッフも来シーズンに向けて練習していかないといけないですね。エンジニアはもうちょっとまとまれば、さらにいい方向に進んでいくと思っています。ドライバーをしっかり誘導して、来年こそは満足のいく結果が先行するようにがんばります。

Po	No	Machine	Driver		Time/Diff.	Laps	Best Lap	Tire	WH
1	23	MOTUL AUTECH GT-R	松田 次生	R.クインタレッリ	1h32'32.446	53	1'40.999	MI
2	37	KeePer TOM'S RC F	伊藤 大輔	A.カルダレッリ	0'51.744	53	1'41.852	BS
3	18	ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT	山本 尚貴	伊沢 拓也	0'53.807	53	1'41.384	MI
4	24	D'station ADVAN GT-R	M.クルム	佐々木 大樹	1'02.362	53	1'42.391	YH
5	46	S Road MOLA GT-R	本山　哲	柳田 真孝	1'02.713	53	1'41.166	MI
6	19	WedsSport ADVAN RC F	脇阪 寿一	関口 雄飛	1'17.773	53	1'42.814	YH
7	1	ZENT CERUMO RC F	立川 祐路	平手 晃平	1'22.118	53	1'42.398	BS
8	100	RAYBRIG NSX CONCEPT-GT	小暮 卓史	武藤 英紀	1'25.845	53	1'42.596	BS
9	39	DENSO KOBELCO SARD RC F	石浦 宏明	O.ジャービス	1'28.719	53	1'42.677	BS
10	36	PETRONAS TOM'S RC F	中嶋 一貴	J.ロシター	1'34.850	53	1'42.538	BS
11	6	ENEOS SUSTINA RC F	大嶋 和也	国本 雄資	1Lap	52	1'42.538	BS
12	8	ARTA NSX CONCEPT-GT	V.リウッツィ	松浦 孝亮	1Lap	52	1'42.451	BS
13	12	カルソニックIMPUL GT-R	安田 裕信	J-P.オリベイラ	2Laps	51	1'42.184	BS
14	32	Epson NSX CONCEPT-GT	中嶋 大祐	B.バゲット	4Laps	49	1'40.802	DL
15	17	KEIHIN NSX CONCEPT-GT	塚越 広大	金石 年弘	5Laps	48	1'42.031	BS